『親子という病』

親子という病 (講談社現代新書)

親子という病 (講談社現代新書)


あらゆる親子はビョーキである!


…とあとがきに大雑把まとめ名言があるけど、大体そのような本。


もうちょっと詳しく言い換えると、親子とは生まれ落ちた瞬間に感染する致死性の病ではないのか…だったかな?


うーん、こんな話をちょっと前に読んだような…。
伊藤計劃×円城塔の『死屍の帝国』だよ!
※「生命とは性交渉で感染する致死性の病」だったかな?ちょっとうろ覚え…


香山女史の本は大抵、話半分に読んでるのですが今回はわりかし「そうかもしらんね…」と読めたり。
それは自分が人の子のであり人の親だからかなあ…と少し考えたりもしましたん。


かなりびっくりしたのですが、イマドキっ子は…


親「実はお前は橋の下で拾ってきた子だ!」子「な、なんだってー!!」


…という壮大な親子コントも経験せずに大きくなるそうですん。
そりゃあ、豆腐メンタルにもなるよ……。


また「あなたは私の唯一の理解者!」みたいなタイプのオトモダチ親子に以前から違和感があったのですが
やっぱりこのテの依存系母娘は拗れるとかなり壮絶そう。


昼間に用事があって電車に乗ると、それなりのトシの母娘率が妙に高くて
この人達は親孝に行旅行にゆく風でもないけど、昼日向から彼氏とも友人ともつるまず
親子でどこに何しに行くのだろう?と疑問に思うことが多かったけど
「あ…(察し)」という気分になりました。


我が家も子供は娘二人だけど、くれぐれもこういうレベルまで拗れないようにしたいものです。


また、終わりのないこの問題を象徴するように
本書の終わりの方に出てきたケースでは


子供が親子問題を苦にして自死するも親は別に問題があったんだろうと流してしまう最悪の結果も


このあたりはさすがにゾッとさせられました。


父と子の関係、母と息子との関係なども、まああるけど
やっぱり、母娘関係が一番業が深いのかなあ…。


香山女史本としては珍しく、良い勉強になりました。