『残穢』
- 作者: 小野不由美
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/07/01
- メディア: 単行本
- 購入: 5人 クリック: 78回
- この商品を含むブログ (71件) を見る
こわい!こわい!こわい!(二度目)
ドユメンタリーホラーということで、要はノンフィク風の手法を使ったホラーなんですが
地味な文体なのに怖さ半端ない!
フィクション系のホラーにありがちな脚色描写がほぼ一切なく
語り手からして超常現象を否定しがちなスタンスなのに
むしろ、余計に怖いんですけど!
きっかけは小さな規模の賃貸マンションの一室で住人が耳にした小さな物音…
調べてみると近辺はどうも人にいつかない部屋や家が散在していて…
調査を続けてゆくと、意外な真相が明らかに…という
ホラー巨編です
もうアレです、夜中にトイレに行くときに道すがらの電気全部つけっぱにしないと怖い的なアレです。
そして相変わらず子供怖い子供怖い子供怖い。
読みながら超絶に不謹慎なのですが、我が家の小さい身内×2が
“赤子”の域から脱する程度に育ってくれていてほんっとーに助かりました。
逆に赤ちゃんがある家庭にはちょっと…すすめにくいぞコレ!
精神的に、というより物理的にッ!!*1
内容は“みんな読んで怖がればいいんだよおおおおお!”と思ったので
特に詳しく触れませんが、『鬼談〜』とリンクさせたり作品として
とてもよくできています。
唯一難点を挙げるとすると、物語の語り手=書き手を連想させる手法になっているので
そこのところは良くもあり悪くもあり、ですな。
そういえば、近所を散歩していて気づいたのですが
自分が圧倒的に『残穢』にリアルな恐怖を感じる原因の一端は…
“マンション暮らし”の経験がある&近所に4〜6室の小規模マンションがばっちりあって、電話帳配りのバイトでお邪魔した記憶も新しいから
件の“岡谷マンション”の間取りや暮らしぶりが端々まで容易に想像できる
ついでに今“戸建て住まい”でやはりそちらの怪異も身近に実感してしまうし
新旧住民の混在地域の自治会の様子などを経験として理解できている
…からだなあと気づきました…すごくリアルだよね、作中の人々の暮らしぶり。
まさに“現代のホラー”といったところ
たぶん自分が読んできた中でトップクラスの怖さですが、上質な作品であることは間違いないので、ホラーがんばれる方はぜひ!!
あ、重ね重ね友人嬢はいつもありがとうございますです。
でも怖くて夜中に人気のない2階にいけないよ!責任とって(笑)
*1:読めば納得の理由ですん、夜泣きとかつらくなっちゃうと思う