『孔雀狂想曲』

孔雀狂想曲 (集英社文庫)

今回の北森鴻は“雅蘭堂”シリーズで。

例によって連作短編なので読みやすく
また今まで読んだ北森作品のなかで抜群に自分好み本でした。

北森作品はどの作品も完成度が高く安心して読めるのが最大の魅力ですが
コレは作中の雰囲気もコミカルすぎずシリアスすぎず
気負わずに読めて、確実におもしろいという素晴らしさ！！

雰囲気的にはシリアスな“蓮杖那智”シリーズとコメディ色の強めな“裏京都ミステリー”の
間をとったと申しましょうか。

作中に今風な女子高校生がいるせいか“香菜里屋”シリーズのようなビターな読み味のはずの作品でも
どこか救いのある明るさでしめてあるのも旨みです。

ホントにすごいなあ、北森鴻！

海外渡航中の兄や、宿敵？犬塚などまだまだネタが尽きなさそうなこの作品
ぜひとも続編を読みたいところです。