『のぼうの城』

のぼうの城

のぼうの城

めずらしくベストセラー系です。


それ以前に戦国モノで秀吉の関東遠征モノで、
かつそれの唯一屈さなかった忍城を取り扱うなど
なんてワタクシ好み!!


しかも読んでみると時代小説と思えぬほどに読みやすく
またキャラクターも魅力的で、ストーリーも痛快至極!!



ハードカバーで値段が高い(\1500)のが少々ネックですが



読んで損なし!!むしろ読め!いや読んでくださいッ


舞台は埼玉なので埼玉県民は一家に一冊常備するがいいよ!


歴史モノを読んでいても今までかすりもしなかった
秀吉の小田原遠征における支城攻略を書いているだけでも
希少価値なのに*1このおもしろさは尋常でない!


登場人物も敵方に石田三成を主将に配して、大谷吉継長束正家
知名度全国区の人物でかつ、それぞれキャラクターが立っているし


忍城側の男達がマイナーなのは当然として
それを補って余りある素晴らしいまでの漢っつぷり!!


手堅い戦上手(でも面倒見がいい)に、無骨な無頼漢風(でも実は嫁に弱い)
才気ばしるお調子者の若人と各種取り揃え


あげくのはてに主人公?のぼう様のダメっぷりまで
最後には愛しくてたまらなくなってしまうというこの仕様!!


もう、どうしてくれようかッ!


“圧倒的な軍事力を誇る大群VSダメダメ総大将”というと
定金伸治の『ジハード』あたりを思い出しますが。


あちらが「いざとなると天才的な奇策と軍略センスを発揮」属性なのに対し
こちらののぼう様は「どんなときでも基本のんびり」仕様


のんびりとダメダメでヘタレなのに、
その“ダメダメへたれさ”ゆえに周りが一致団結していく様は圧巻です


もちろん単に人望厚いだけじゃなく、思いつく作戦を自分で単身実行するし存外行動派!


かといって「強いの?」と聞かれれば、答えは「いや、ぜんぜん」なのですが…(笑)


余談ですが、甲斐姫をはじめとした女性陣もなかなか威力…いや魅力でした。


とにもかくにも面白かった!!純粋に人に薦めてみたい本です。


次回更新


今日のところはこんなところで…


実はまだ読了ストックがあるのですが量が多いので
霧のいいところまでにしておきます。


ではでは本日はここまでッ

*1:他は『八王子城滅亡』ぐらいしか思いつかない