『機械仕掛けの蛇奇使い』

機械仕掛けの蛇奇使い (電撃文庫 (0916))

機械仕掛けの蛇奇使い (電撃文庫 (0916))


   心のないものなんか どこにも存在しないわ
   そうそれこそこの世でも、あの世でも
   架空の物語の中にも、機械の計算の中にだって
   心だけは必ず存在する

   −−−それは、世界の数少ない真実のひとつだわ



……。


すごい傑作だよこんちくしょおお!!!


あーもーなんで刊行された当時の自分は
こんな素晴らしい作品を読まないで
なににうつつを抜かしていやがったんだ!
と全身全霊で罵倒したい気分。


傑作です。恐れず言い切ってしまえば
上遠野浩平最高傑作ぐらいのことはいいたいぞッ


いやあ、よかった!すごかった!!


電撃文庫的にもノリノリ期だったようで
信じがたいことに人気作家とは言えどノンシリーズの読みきりに
カラー口絵8枚も付いています。


登場人物で名前アリの人はほぼ全てフルカラー化という豪華具合


なにをしてここまでやっちゃったのかいっそ疑問すら覚えますッ
こんな口絵がいっぱい付いてるラノベ見たことないよ!!


ストーリーもぐいぐい引き込ませてくれるし
舞台装置も面白い、キャラクターは魅力的
なによりテンポがあまりに良いのでいったん読み出したら
ノンストップで突っ走らされてしまいます。


ラスト近辺、ちょっと拍子抜け?と思ったら
冒頭に引用したアレですよ!


最近、本読んで(良い意味で)衝撃を受けるということは
ほとんど無くなってたんですが、もう痺れましたねッ


うおーーーすげーーー


…って思わず叫んだね、心の中でだけど。
セリフ自体もこのように素晴らしいんだけど
それをいう人物がまた心憎い。


上遠野浩平好きなら、にやりとすること間違いナシ!!


いやーホントなにをどうしたら人間こんなスゴイことが
できるんでしょうかねえという


完敗全面降伏万歳三唱な一冊でした。


これは今年のベストを引いてしまったかもしれませぬ!


ともあれ良かった!中古でも買って読んだ自分エライ!
描いてくれた作者アリガトウ、アリガトウ!!


ホント、コレだから上遠野浩平は困りま……じゃなかった
やめられません!!