『妃は船を沈める』
- 作者: 有栖川有栖
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/07/18
- メディア: 単行本
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短編集ならぬ、中篇2本立てという
なんだかちょっと中途半端な気もする一冊。
とはいえページ数、ボリューム、トリック
作中人物の魅力*1、物語の雰囲気、余韻
どれをとっても過不足なく有栖川有栖。
完成度的には、もはや成熟老成の域に達している気もいたします。
作中のツナギにもなる“猿の手”の解釈談義も
なかなかスパイスが効いていて良い具合。
久々の火村先生としても楽しめました。
が!!
これって単行本にするほどの話なのかーーー!
おそらく一昔前なら確実に
ノベルスで収まっていい分量だと思うのですよ!
昨今のライトノベル隆盛の功罪で
“ノベルスのラノベ化”が進んで久しいですが
※そして自分だってラノベ大好きだけど
同時に“ノベルスの単行本化”も進んでいるといえるのでは?
……。
ぶっちゃけ財布に厳しいです。すごく…。
ああ、新本格ミステリはついに贅沢嗜好品になってしまったのかッ!
本の面白さもさることながら、
ちと外の事情の世知辛さを感じさせる一冊でした。
次も単行本だったらどうしよーーー(泣)*2