第22幕感想


『「呪縛」〜荒ぶる激情〜』

みどころ

王道革命劇パートもクライマックス!


暴君モンタギューの最期でございますッ!


…ってほぼそれで1話分、使っちゃったなあ(笑)


復讐だけを胸に生きてきたティボルト
ジュリエットのためにと、改めて剣を取ったロミオ
悲願のために王城へとむかうジュリエット


ある種、三つ巴の様相を呈してきた最期の幕引きは
意外な方向へ…とまあ、今回まとめるとこんな具合かと。


冒頭、ティボルトにエスカラスの挿し木となることを明かしてしまうジュリエット


雪の中での会話のシーンがたいそう美しかったですが
語られるのは“自己犠牲人柱ルート”…。


さすがの復讐の鬼ティボルトも、ちょっと胸と突かれた様子。


しかし、ロミオにもいえなかったことをティボルトには話せたのが


ロミオのお兄さんだからかな?”とは聞いてるティボルトとしてもちょっと複雑だったんではないのかなあ…。


よくよく考えるとティボルトは母を通じてキャピュレット家
父を通じてモンタギュー家の2つの家の血を継いでいるわけで
その複雑さが今回、良く出ていたなあと思いますぞ。


それにしてもジュリエットは自分で自己犠牲ルート踏み固めすぎッ!


あまりに死ぬ気満々すぎて、見ているほうとしては
痛い痛しくて仕方ありませぬ!


誰も君の犠牲なんて望んでないからッ
良い子だから、もちょっと他の方法を皆で探さんかねッ!


翌日にはついに王城へ!ということで革命劇も大詰めに
正門で親衛隊と相対するジュリエット一行な訳ですが……。



親衛隊長、変わり身はやーーーーッ!



ちょ、おま…もすこし…見せ場とか…ッ…


おかげで無血開城できたわけですが、
開ける気だったら最初から開門して待っとけよッ


それでも彼はまだ投降できるだけマシなほうで、
前回、市街への放火という凶行に手を染めてしまったマキューシオは
街に行けば市民に、城に帰れば大公に殺される運命。


万事休すで場内を彷徨う憔悴しきった姿は
もう小物どころか、狂気の一歩手前…


こういうヤツが後でなんかしでかすんだよな!


…とまあそんな、予感がいたしますが、
この手の王道的お約束を決して裏切らないのがこの作品のすごいところ……。


孤独な玉座の暴君モンタギューを倒したのは


ティボルトでもなくロミオでもなくジュリエットですらなく


マキューシオ、彼だったわけです。



マキューシオ!おまえがかーーッ!


…と思わず叫んでしまったのは、きっとハヤシだけではあるまいッ


そんなわけで、玉座の前のアレコレはまとめて下で…



本日のMVP

  力さえあれば、運命など…ねじ伏せられると思っていた


…ということでモンタギューで!


なにげに過去を振りかえると、何度かMVPに彼を推しているので
彼が好きなんだなあ。


モンタギューという人は
純粋な若人たちの純愛をうたう物語の中で
ひときわ“人間臭い”ところが魅力的な人でした


“力を求め、それゆえに自滅する”というのは
それはそれで悪の王道、悪の美学。


それを最期まできっぱりと描ききったというのは
作品としても、なかなかに素晴らしいことだと思います。天晴れ!


そのモンタギューと同じ道を歩みかけていたティボルトは
ジュリエットの自己犠牲の精神に触れて
やっと復讐の連鎖を逃れることが出来たわけで
それによって因縁の清算をしているところも良かったですぞ。


もちろん、息子のロミオに手にかかる様な事もなくてよかった…。


最期は愛を求めながらも虚勢を張って死んでゆくところも
いかにも暴君らしくて素晴らしかったです。


いまどき居ないぞ?こんな絵に描いたような“暴君”(褒め言葉)


モンタギューの死をもってついに王道革命劇も完結


あとはジュリエットの“自己犠牲人柱ルート”のみですが
ここにきて原作のような酷いすれ違いイベントが発生しそうで恐ろしいです…。


さすがにジュリエットが何も言わないでも、
ティボルトあたりがロミオに人柱話をリークしてくれそうだけど…。


だ、だんだん最終回が怖くなってまいりましたが
大団円を信じて視聴してまいりたい所存です。