『太陽系最後の日』



アーサー・C・クラークのベスト短編集その1


毎度のことだけどちょっと癖のある格調高い文体になれれば、アイデア重視のどんでん返しが楽しめますな!


色々な見方のたくさんの短編が入っているのでお得感もあります。
一番のウリははっぱり『幼年期の終り』のプロローグ的な短編(内容は本編の前半とおんなじ)「守護天使」かな?
そういやル=グウィンでも短編「セムリの首飾り」が『ロカノンの世界』のプロローグ的になってて
往時のSFではよくある事なのですかな?


作中でお気に入りは「コマーレのライオン」と「海へいたる道」。


ちょっと変わったところだと最後に収録された随筆も。


少し前に航空機関連の本を読んだときに管制システムの感性が安全性に大きく向上したことを知ったけど、
クラークは第二次大戦中、この航空管制システム関連の仕事をしていたんだなあ…。
特に関連はないと思っていた本や知識が頭の中でつながるとなんだかちょっとうれしいぞ!


年譜などもついていてそのあたりも充実しておりました。
ちょっと苦手意識があるのですが、年イチぐらいはクラーク読むのも良いモンですなッ