『いま集合的意識を、』

いま集合的無意識を、 (ハヤカワ文庫JA)

いま集合的無意識を、 (ハヤカワ文庫JA)


久々のがっつりSF!!


すきっ腹からおなかいっぱいに食べた満足感!!


これぞSF!これこそ神林長平!!


短編集だけどいろんな切り口でどれも見事!
…なのですがちょうど、いま、新しいPCを買ったばかりゆえに
『ぼくのマシン』が感慨深いです。


元々は所有していた『戦闘妖精雪風解析マニュアル』掲載の短編だったのですが
どういった経緯か↑をロストしてしまい久々の再会。


内容は平たく言うと“クラウドで動くPCは、もはや「パーソナル」なマシンではないのではないか?”といったところ。


ぐうの音も出ない、まさにな内容ですが
解説でも言及されたようにコレが10年前の作品とは…。


最近のときの流れの早さには驚かされっぱなしですが
その先を行く先見の持ち主もちゃんといるモンです。


それと併せて一番最後の表題作の重さがまた秀逸。
上記の問題ともちょっと絡んで
主に伊藤計劃についてのちょっとメタな短編なのですが


たとえ、発言者が誰であろうと誰に対しての発言だろうと
もういない故人に対して


「もう大丈夫だ」「心配ない」


そういってあげられる人がいる、というその一点のみで
この作品を読んでよかった、この本を読んでよかった、この作者を好きでよかったと魂ごと満足しました。


やはり良いなあ、神林長平


伊藤計劃の作品はまだ読んでいないのですが
ぜひ読まねばという気にもさせられました。


あと、巻末のリストで『完璧な涙』を東城和美がノベライズしているのを
確認したのでこちらもぜひ読まねば!!


もともと東城さん、自分の漫画の巻末で『完璧な涙』推してたもんなあ…
漫画家さんとして結構好きだったけれど、最近作品見なかったので
嬉しい発見でした!


質の良いSF読むと無性に嬉しくなるので
やはり時々はSFを補給するべきですな!