『獣の奏者』探求編、完結編

数年前のEテレアニメ“獣の奏者エリン”の原作の続編ですッ


存在は知っていたのだけれど、なんとなくもったいなくて読んでませんでした。
が!図書館で見つけたのが運のツキ。
そして読み始めれば止まらないのが上橋作品のお約束。


相変わらずの吸引力でグイグイ読まされて今いましたとさ…。


一度完結した物語の続編であるところと、作者の作風的な部分で
ル=グウィンの『ゲド戦記』4巻以降と似た読み味。


読む人を選ぶ作品ですな!


大雑把に言うと探求編は再び起こった闘蛇の大量死の調査をきっかけに
エリンとイアルの主人公夫婦が火中の栗拾いにいそしむハメになる話(見も蓋もない!)


完結編は紆余曲折を経て、状況が行き着くところに行き着いてしまい
ついに古の伝承にある“災い”を再現してしまうに至るまでの顛末。


巻き起こる“災い”は思う様バイオハザード
おどおどろしいと同時に度肝を抜かれました!
まさかこんな酷いことになるとは…。


最終的にはエリンたちは念願である“王獣を野に解き放つ”道に
たどり着けはするのですが、感動的なラスト!とまでは手放しに喜べない展開ですな。


トールキンの『指輪物語』を引き合いに出すまでも無く…


大作ファンタジーは“大きすぎる力をどう放棄するか?”に行き着く


…ということなんですな…。


刊行が数年前なので、意図されているわけではないけれど


なんだか震災後の空気がある作品でした


あとは、どうでもいいところだと、ソヨンお母さんの許婚氏が
生涯をかけてエリン一家をストーキングしてたのにちょっと引いた…。


いや、霧の民はそういう人たちなんだけれどもッ!
個人的には好きなエサル先生が天寿を全うできたようなのでよかった!


夢の無い骨太ファンタジーで読む人は選びますが、ワタシ的にはオススメです!

次回更新


“読みたい本リスト”をチェックしたら、リスト消化が
19タイトル39冊でしたッ。


元々、7月5日までの目標が20タイトル読破だったので、あと一歩!


「ぜってーあと1冊、リスト読めよ!!」


…と発破かけられてる気がいたしまする。
鋭意努力しとく!!


ではでは本日はここまでッ!