『いまファンタジーにできること』

いまファンタジーにできること

いまファンタジーにできること



めからウロコがぼろぼろ落ちたぜい!


さっすがル=グウィン、それでこそル=グウィン!!


今まで漠然と疑問に思っていたことへの回答がポンポンあって
すべての答えはここにあった!ぐらいの感動力。


エッセイ調の評論だし、言い回しが理屈っぽいし、感情的すぎるし
いろいろ読みにくい要素はあるのだけれど読んで損なし!
やっぱりスゴイ文筆家だなあと感嘆しきりでした。


自分の読書は中学のころ友人から借りた現代物の小説*1になじめなくて
ファンタジー小説*2を読み始めたところから始まったのだけれど
どうにも空想世界モノの肩身は狭くて困ってた時期があったので
女史の説くファンタジーの効用に「そうだよ!それそれ!!」と
膝を打ちたくなったよッ
※パリポタブーム以降そういうのはなくなってきたけど


また“物語”を解体して文学的に批評することの無意味さも
ものすごく腑に落ちたッ!
どうにも小説を“AはBのメタファー”“この作品のテーマはコレ”的に読み解くことに違和感がっあったんだけど
やっぱり“物語”の本質はそんなところには無かったんだ!と一安心。


いやはやほんとにル=グウィンには頭上がらないなあ


ジェンダーやらなんやらの問題は疎いので
その辺では面食らうことも多々あるけれど
ちゃんと読んでよかった…とても有意義な時間でした。


蛇足ながら作中、動物文学に多くを割いていて
自分には未読のものが多かったので
そこらへんを次回の読みたい本リストに入れたいなあと思ったりも。


読みたい本がたくさん出来るのは良い収穫だ!


でもとりあえず私はまず“ギフト”“ヴォイス”“パワー”の3部作を読まなきゃな!

*1:宗田理の『僕らの七日間戦争』シリーズだったと思う

*2:水野良の『ロードス島戦記』でした