『ルポ貧困大国アメリカ』
- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2008/01/22
- メディア: 新書
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怖い、すごく怖い
事実なのがまた笑えない。正直、なんなんだこれはという出色の出来。
この本は3年前の08年刊行で、現在(11年)アメリカでは格差デモが拡大中なわけだけれども、そこらへんとの兼ね合いも考えてもいっそう怖い。
このデモは“1%の金持ちと99%のその他”がスローガンがテーマ。
では、その1と99の超格差が出来上がる過程でなにが起きていたのか
というのがこの本の内容。
ちょっと出来すぎじゃないのか?と勘ぐるぐらいだけど
いま、読んでおいてよかった。
端的にまとめるとサブプライムローンや、ハリケーンなどの自然災害、はたまた健康問題で1度でも人生につまずくと
あっという間に貧困層に転落、待っているのは違法すれすれの貧困ビジネス=戦争という現実が描かれています。
サブプライムローン(リーマンショック後の世界不況)、格差の問題、貧困ビジネス、規制緩和、グローバリゼーション。
いろんなキーワードが網羅して出てきて、それがひとつの結論にまとまっているのが逆に不思議。
日本の規制緩和は道半ばで挫折した、というのが今の見方だけど
何でもかんでも民営化のアメリカの惨状を見たら挫折してよかったとすら思いました。
次はTPPが大きい問題だけれどどうなんだろう?
少なくとも、今、やるべきではないのじゃないかなあ。
…などと、過去と翻っては現在までいろいろ考えさせられました。