『芸術立国論』

芸術立国論 (集英社新書)

芸術立国論 (集英社新書)


作者が演劇人のためかセンテンスが短めで
ノンフィクにしては珍しく1日で読了できました。


前々回と前政権のときの内閣官房参与の人の本。
たぶん著作での代表作、なのだろうなあ。


元々内閣に演劇の人が入るというのが物珍しくて
ついでに失言などもあったのでちょっと記憶に残っていた名前。


実家発掘で見つけたのでちょっと読んでみました。


あとがきにまとめ的文書があるので
そこから入った方がわかりやすいかもです。


いわく…


P214「本書は、私一個人の世界観、演劇観に基づいて書かれたごく私的な政策提言書である」


もうちょっと噛み砕くと…


P214「大きな国家目標を失った日本が、個人のそれぞれの価値観を大切にする成熟社会へと移行する中ででの、文化芸術の役割を考えること」


P215高度消費社会の中で、「参加する芸術」という視点で芸術文化をとらえ、さらに教育や文化政策について考えていくこと」


…この2本柱で延々、書かれています。熱意はスゴイ!


でも正直、人生においてあまり演劇にに縁がなかったため
ちょっと突飛な印象でした。


そもそも演劇を見たことはあっても*1「参加する演劇」というイメージがわかない…。


「対話」という概念が出てきてやっと腑に落ちてきたという具合。
また「ワークショップ」等、まだ一般には認知度が低い単語が出てきたのも苦労させられました。


また、いきなり政策!などとぶち上げても
それが個人の主張であってもやはりちょっと浮遊感があったり。
※でもそういうある種ケレン味敵空気が演劇人にはある気がする。


10年前の著作だけれど、いま読んでもちょっとわかりにくい一冊でした。


20年後は「演劇」は果たして日本の精神的な成熟に一役買う「公共性」を獲得できているのかな…まだちょっと想像できないです。


余談ですが、作者が存外に若いのに驚きました。
ちょっと前の政権には50前の在野の人がいたのか…。


自分の読むジャンルにしては珍しく、
政治的政策的な見地のある著作&著者だったんで、
ちょっと感想がかきづらいなあ…。


まだまだ修行が足らんです。

次回予告


次は読みかけのノンフィクと、そろそろまた小説が読みたい…ッ。
そういや、↑の本、著者の父は堤清二親交があったそうで
そこらへんはちょっと前に呼んだセゾン文化系のノンフィクと繋がりますな。


あと、憲法法律云々のところで『図書館戦争』を思い出した…ッ


なんだかんだで本を読んでゆくと、ノンフィクだろうがフィクションだろうが
頭の中ではつながりができてゆくものだなあ。


読書以外ではノーラちゃんをガリガリ更新したいです。
あとTwitterでつぶやいたけれど新アニメの
ラストエグザイル銀翼のファム〜”の各話感想がやりたいです。


カンタンなものでもよいから、久々に意欲を掻き立てられる作品だ!


ではでは本日はここまでッ!

*1:劇団の公演は4回だけ見たことがある