『「リブロ」が本屋であった頃』

リブロが本屋であったころ (出版人に聞く 4)

リブロが本屋であったころ (出版人に聞く 4)


最近出版が盛んな「リブロ」もの…と思っていると肩透かしを食う一冊。


「リブロ」創生期前後から日本の書店業界の内幕を追ってゆく業界モノ


…というのが正しい位置づけかと。


タイトルが嘘、とまでとはいかないけれど、ある程度の業界知識がある人か
そうでなければ一連の「リブロ」ものを他に読んでいないとちょっとキツイかも。


だいぶ前に感想ををあげた『書店繁盛記』(田口久美子、著)*1を読んでいたのでなんとかついてゆけました。
※中村氏も田口氏もリブロ→ジュンク堂の流れの人だね、そういえば


話の内容は書店業界モノとしては当然のように、再販制度に言及してます。


「これから若い人たちはどうするのかな?」的な達観を感じましたが
むしろ00年代に制度改革への流れがあった時代に
なんだかんだいうだけで無為にスルーしてしまった世代が
先頭切って取り組んでよい問題じゃないのかなあ?


本当に未来に「本屋」を残したいなら
老兵たりとも知恵と経験を貸すべきだと思ったり。


書店業界に限ったことじゃないけれど、どうにもならないところで現状をバトンタッチされて
先行世代に勝ち逃げを決められるような後味の悪さがあります。


そういえば一連の「リブロ」もの
大抵“「リブロ」の時代は終わった!”という論調だけれど
実際に「リブロ」という本屋さんはまだちゃんとあるわけで
なんだか言われっぱなしジャーマンが気にもなったり。


この本を手に取りながら現在の書店員さんたちは
黙々と働いているのだろうか?


そう思うと、ちと微妙な読み味だ…。

次回予告


次こそは歴史系の新書を!!
それとラノベの“破妖の剣”の最新刊を買ったのでそちらも読んでおきたいなあ。


その他、児童書の図鑑で面白いのが家に着たりと
変化球織り交ぜつつ次回もがんがりたい所存です。


ではでは本日はここまでっ!

*1:感想はこちらの2冊目→http://d.hatena.ne.jp/hayashi-azuma/20100110