『走れメロス』
メモリヤルイヤーだったので、なんとなく読んでみようと手に取りました。
当然、表題作だけだとボリュームたらないので色々入ってるわけですが…
太宰ってほんっと、ダメダメだなあ!
「走れメロス」「駆け込み訴え」「富岳八景」あたりが
このチョイスの中では良いカンジで
やっぱり久々に読むと「走れメロス」は秀逸だし
「駆け込み訴え」大人になって読むと心にきますが。
私小説パート系の小編群が、もー痛くて痛くて
読んでてかわいそうになってきましたぞ……。
ひたすら自分がヘタレで、思い悩みすぎて挙句の果てに脳内彼女まで出てきて
うわー痛いからもういいよッ、そこまでしなくていいよッ
と思いつつ気がつくと
この人、実は絶対、他人を悪く言ってないんですよッ
悪いのは自分ダメなのも自分、全部自分の性根のせい……
そりゃあ人生、生き難いよッ!
他人をけなさないのが太宰なりの最後の矜持なのかもしれませんが
それにしたってそんなに自分に厳しくなくても…ッ。
でもそんな厳しさが無かったら、この人ただのイマドキのヘタレですな(おい!)
案外、太宰は現代に生きてたらもうちょと長生きできてたかもしれませぬ。