『ホテルジューシー』
- 作者: 坂木司
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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もいっちょ軽めの“さわやか系”ということで坂木司を一冊。
こちらもさくっと読めるライト系の作品です。
帯には“覆面ミステリ作家坂木司、7冊目にして最高傑作!!”
とありますが
いや、そこまでは…(笑)
しかし、帯裏感想の“あぶなっかしい”“他人とは思えない”“友達になりたいっ!”等の
主人公への共感あふれるコメントは妙に納得。
なぜなら
坂木司愛読者なら絶対この主人公と性格かぶってるハズだから!(断言)
自分にも、すんげーいろいろ覚えがあるぜ的なキャラクターでホント他人事に思えない…。
正直、こういった常識的でいじりやすいキャラクターが不条理環境にツッこまれる設定は
感情移入しやすいタイプの自分にとって鬼門なんですが
それでも読み終わった後に、ちゃんと「おもしろい」と思えるのは作者の力量ですな。
やはり恐るべし坂木司!
毎度おなじみ短編連作形式なのでとっつきやすいし
ありきたりな沖縄カルチャー描写からも一線を画しているので
ちょっとしたお得感もあり。
坂木司作品にしては食べ物描写がやや弱い印象ですが
食い意地で本読んでるわけではないから(笑)まあいいか!
心の箸休めにちょうどいい一冊です。