『蟲師』10
- 作者: 漆原友紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/11/21
- メディア: コミック
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記念すべき10巻目にして“降幕の刻”
これにて一旦、完結ということで驚きました。
蟲師はどの巻を抜いてみてもあまりクオリティの劣化というのを感じたことがなかったので
「え!なんで…」という気持ち。
さて、内容はどれも甲乙つけがたいですが、個人的に印象に残ったのは
以前にも何話かあった“母子モノ”の「光の緒」
蟲師の母子モノはわりとやるせない読み味が多かった気がしますが
今回はハッピーエンド。ほう、と一息つかされます。
あとは読後感がなんともいえない「香る闇」
よくできた小説の一篇のようで、何度か読み返してみると
より深く味わえる気がいたします。
逆に最終幕の「鈴の雫」はむしろ最終話だと気負って
執筆がしんどかったんじゃないのかなあという気が。
しかし蟲師が完結したからといって、漆原女史の作品がまったく読めなくなる
というわけではないので、気長に次作品も追ってゆきたいものです。