『女王国の城』
- 作者: 有栖川有栖
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/09
- メディア: 単行本
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この日を何年待ったことかッ!
“待望の〜”という決まり文句がこれほど似合う作品も
他にはありますまい…というほど待ちに待った
学生有栖シリーズ第4弾です
おかえりなさい!江神先輩ッ*1
作品としては有栖川有栖ひさびさの大長編ということで
読み応えがある作品に仕上がっています。
推理小説としての完成度もとても高く、特に後半の謎解きが近づくにしたがって
めぐりにめぐらされた伏線がズイズイと回収されてゆく様は圧巻!
トリック自体はミスリードに惑わされずに、
理論的に消去法で行けば核心にかなり近づけるかと…
いや、ミスリードにどっぷり使ってダメだったんだけどね自分は…*2
ともあれ…
この正統性が有栖川有栖!
…と、有栖川先生のの真髄を思い出させてくれる良き一冊です。
素晴らしきかな、新本格!!
弱点はというと、少々、長すぎること
後半の描写は一部の隙もないほどに素晴らしい反面、
前半は少しばかり冗長に過ぎる嫌いがあるかと。
前作の『双頭の悪魔』は有栖川有栖、最高傑作の声も高く
やはり続編となると、ベテラン大御所の域に片足突っ込んでいる
有栖川先生ですら肩肘張ってしまうことがあったのかな?とぞ、想像。
でもそんなこととは関係なく、もうただひたすら続編が拝めたことが嬉しく
そしてその内容も充分楽しめるものでした。
ありがとうございます、有栖川先生ッ!
今度も何年でも生あるかぎり20年でも30年でも待ちますから
続巻よろしくお願いいたしますッ!