『鳩のなかの猫』 


鳩のなかの猫 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

鳩のなかの猫 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)


なんだか2週に一冊はアガサ・クリスティーが定番になりつつある
今日この頃…(笑)


今回はこれでございますッ!


遠い異国の革命騒ぎの中で失われた財宝の行方と
名門女子高での教師殺人事件のもつれ合った2つの謎を
エルキュール・ポワロが解きほぐす…といった内容。



推理小説を読んでいると時々、
「おいおい今回、ちゃんと探偵役出てくるのッ?」という
作品にめぐり合いますがこれもその一つ。


ポワロさんが出てくるのは、本ッ当にページの余りが少なくなってから
つまりは解決編になってからです。


これもポワロ物の時間軸では後期の作品らしく
職業“探偵”ではなく“(探偵)顧問”と名乗ってましたね。


さて、ではポワロさんがいないと*1つまらないのか?
というとそうでもなく


登場人物は8割がた女性ながら*2
敏腕校長女史や、奇想派な若手教師
おきゃんな女生徒さんたち複数となかなか魅せてくれます。


書いてるときにきっと、アガサクリスティー自身
楽しかったんじゃないのかな?というくらい
筆が軽快で場面や人物が入れ替わり立ち代り!


前回の『ビッグ4』とはまた違った意味で
とても華やかな一冊でした。


犯人もなかなかに意外性があったし余韻も良し!


タイトルが良いなあと、それにつられ読んだ一冊でしたが
なかなかに満足のゆく仕上がりでしたッ

*1:ついでにこれはヘイスティングス大尉もアリアドニ女史も出てこない

*2:だって事件現場がおもに女子高内