『宇宙の声』


宇宙の声 (角川文庫)

宇宙の声 (角川文庫)


ハインラインの傑作ジュブナイル『宇宙の呼び声』を連想させるタイトルですが
こちらは日本の作家、星新一氏の作品。


そしてこちらも傑作ジュブナイルでございますッ!


星氏は今年に入って読み始めたのですが
素朴な語り口、斬新なアイディア、古き善きSFの薫り高い作家です。


今年、発掘の作家でも群を抜いて良いですね。


『きまぐれロボット』*1『ちぐはぐな部品』*2等ショート・ショートが有名で
ハヤシもそこから入りましたが、
どうしてどうして中篇2作品収録のこちらも素晴らしいです。


収録作品は表題作の“宇宙の声”と“まぼろしの星”の2本。


どちらとも、宇宙探検隊に子供たちが参加して宇宙船にのって
星々をめぐり冒険をしながらそれぞれ謎を解いてゆく…


…とまあ非常にオーソドックスなつくりですが、
昨今の小説にありがちな過剰な毒や穿った斬新さとは程遠い
品のある作品に仕上がっております。


とはいえ作中にちりばめられたアイディアはどれもシンプルなのに
凝っていて読んでいて退屈することもありません。


流行の変化球ラノベも良いですが、たまには肩の力を抜いて
オールド風味なジュブナイルで箸休めもよろしいかと存じます。

次回更新


今週も、相変わらずまったりペースかと…。
ゼーガ各話の前に“毎日Zガンダム劇場”がくるかな?といったところ。


日曜読書枠は、いかげん角川夏フェアをもう一冊読まないと…ッ
もしくは、『ゲド戦記〜』の5巻ですな。


ではでは本日はここまでッ!