『乱鴉の島』

乱鴉の島

乱鴉の島


有栖川有栖氏の新作キターーーーーッ!!


…とファンなら思わず叫んでしまうこと請け合いの一冊でございますッ!
※って、江神先輩はーッ!と叫びたいところを良い子はぐっとガマン


しかも作家アリス&火村先生シリーズで〝孤島モノ〟でしてよッ!



都会を離れて、離党の民宿でのんびり骨休め…のつもりが
ちょっとした手違いから〝烏島〟なる異名を持つ島に上陸してしまったアリス&火村


この二人が絶海の孤島にいて平穏無事に休日が過ごせるはずもなく……(笑)


孤高の人として知られる大作家を囲む、わけありげな人々
いきなりヘリで乱入する、意外な侵入者
…そして案の定発生する殺人事件。


丁寧にも、唯一の連絡手段である電話線は切られ
もっとも怪しい人物はいずこかへ失踪…。



お約束の〝孤島モノ〟設定、てんこ盛りでお届けいたしますッ



さて、この作品、もちろん有栖川有栖作品ということで
しっかりミステリとしてまとまっているのですが、氏にしては珍しいところも…



期せずして超!現代的な要素が盛り込まれております


元は連載モノということで、ここまで世情に合わせる気はなかったものと思われますが、
読んでみるとなんだか、あざとく感じてしまうこの不思議…。


それがテーマそのものではないのですが、
対比としてあまりにも対照的なので印象に残りますな。


高尚なものと卑俗なもの、内と外、老いと若さ…


一見ケバケバしくなりがちなところを、トリック込みでさらっとまとめているのが
また有栖川氏らしいさくひんでございます。


んーでも、やっぱり火村先生は短編の方が好みかなあ…(笑)


そして、そろそろ江神先輩に会いたいですぞ!