『東京タワー』

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~


珍しくベストセラーです。


評判どおり、泣けた…いやあ、泣きましたよ…orz



だがしかし!ここであえて問おうッ!!


〝泣けるベストセラー〟は〝良い本〟なのだろうか?


…残念ながらハヤシ的回答は〝否〟でありました。


普遍的な〝親と子〟テーマも、〝母との強い絆〟もしっかり描写されているし
登場人物もみんな個性的で、エピソードも面白い。
やっぱり、最終ページに近づくにつれ運命の瞬間が近づいてゆくにつれ
そしてその後のエピローグ的な挿話も泣けてくる…。


それだけで本としては充分な完成度だし、素晴らしいのだろうと思いまする。


でもその先、物語が終わったときに残るはずのものが何にもなかった…。


よく物語には〝テーマ〟がある、とぞ耳にしますが、
それだけじゃなくて、作者の〝信念〟のようなものも必要ではないかと思います。


物語を、テーマを乗り越えてその先の〝何か〟を読者に見せることが
本を書く人、物語を紡ぐ人の使命だと思うのですな。


自分はこの本からはそれを掬い取ることができなかったようです。


おそらくこのベストセラーを読んで、ここまで批判的に感想あげている
人間はいないんじゃないとぞ存じますが(苦)*1
個人の意見ということで、なにとぞご容赦願います。


すみません…すみません…。

*1:そもそも読んだ本を酷評すること自体稀だし