『ゲド戦記』
- 作者: アーシュラ・K.ル・グウィン,ルース・ロビンス,Ursula K. Le Guin,清水真砂子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1976/09/24
- メディア: 単行本
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苦節半月、やっとよめました……まずはほっと一息。
ジブリで映画化がきっかけとはいえ、再読できて本当によかった。
作品の魅力や独特の世界観は諸独自の印象のほうが強いし
有名な作品ですので、とっぱらって
ハヤシ個人が再読してどう感じたかを主体でまいります。
普通の読書感想文になってないので、
ストーリーやもろもろを期待している方にはすみませぬ。
では感想まいりましょう!
原点がここにありました
作者のル=グウィンの作品でもわりと初期のほうですし
独自の世界観、文体、表現の原点があります。
同時に自分がル=グウィンを読み始めて間もないころに
であった本でもあるので、こちらの意味でも原点です。
そもそも、ことの起こりは大学時代
あらゆる作家の中で一番、尊敬しているのがこの作者のル=グウィンで
最初に読んだのはSF『闇の左手』なのですが、
こちらもほぼ同時期に読んでおります。
ちょうど司書過程のレポートで友人が読んでいるのを見つけて
「あれ?今、読んでる本とおんなじ人の書いた本だ!」
と驚いたのが昨日のことのように思いだされます。
そのとき以来、の再読でしたが、
覚えているところ、覚えていないところがけっこうありましたぞ。
覚えているシーンは克明に覚えていて、
クライマックスの世界の果てもそうだし
オジオン様もそうです。
竜退治なんかも壮快で良く覚えていますね。
こういったところではそのシーンだけでなく
そのとき自分がどう思い、どう感じ、どう考えたのか
そういうところまで克明にトレースできて少し驚くと同時に
懐かしい気持ちを味わいました。*1
これを読んでいるころの自分は、なかなかに人生どん底で(笑)、
プライベートでいろいろあったりして激動の転換期でしたが
いま、こうして社会に出て働き、結婚し、
こうしてある程度平穏に日々を過ごしている自らを鑑みると
変わっていない部分もたくさんあるのだなあと感慨もひとしおでございます。
一方、忘れているところもたくさんありました。
初読時は物語の咲を追うのに必死で
ゲドと一緒に影に追い回され、影を追い回して
最後までたどり着いてしまいましたが
今回は大まかなストーリーは把握していたので、
比較的ゆっくりと読むことができました。
通読する時間がとれず、断片的に読み進めたのも良かったかもしれませぬな
すっかり忘れていたひと、その①
ル・アルビの領主の娘
かなり重要な人物なのにすっかり忘れていてびっくり。
再登場にも驚かされました。
すっかり忘れていた人、その②
ヒスイ
端役、といえば端役なのか…本当に忘れていてびっくり
他にも後々重要になる腕輪の半分を得たいきさつや
古い石の館のいきさつもすっかり忘れてました。
これは再読して良かったな、と思うところでしたな(笑)
近いうちに続編『こわれた腕輪』も再読したいとぞ思います。
こっちはテナーのことしか覚えてないあな……。
以下蛇足です(これもオススメ!)
*1:けっこう頻繁に泣きそうになってたり…