『しずるさんと底無し密室たち』上遠野浩平・著、富士見ミステリー文庫・刊
「ねえしずるさん、密室ってなんなのかしら?」
「そうね、よーちゃん、それはきっと、どんなものでもごまかせると思い込んだ人間の、つまらない錯覚なんでしょうね―――」
カバー折り返しより
なぜか背表紙が1巻と違う仕様になってるので読み逃している人も多いのでは?
かく言う自分もそのひとりですが…
みなさーん、続き出てますよーと声を大にして叫びたい!!
さてと、今回のテーマは密室です。
お馴染み病室に縛り付けられたように生きている〝しずるさん〟*2と
その友人で陽だまりのように明るくのほほんな〝よーちゃん〟が数々の事件を解いて参ります。
続編って事で作風も安定してきて、小ネタも満載ッ!
「七倍の呪い」はブギーでも末真ちゃんの言ってた「カインとアベル」の解釈もってきてるし
「影法師」は『ソウルドロップの幽体研究』にちょこっと出てきた<灰かぶり騎士団>が出てくるし、おまけに…
「どっかの都市伝説の、その人が一番美しいときにそれ以上醜くなる前になんたら〜」
…とかしずるさんが言い出した日にゃあ、もうッ!!
やるなっ、上遠野浩平っ
ってなもんです(ほくほく)。
…小ネタだけでなく本編もおもしろかったですよ、もちろん!
文庫版オリジナルの挿話、「はりねずみチクタ〜」もまだ先があるみたいだし、
次は長編で読みたいなあ…なんて。
あっ、そうそう、言い忘れてましたが椋本夏夜氏のイラストっ!
もう、もう、もう、もう…最ッ高ぉぉッ!!
特に表紙、裏表紙が続き絵になってることに気づいた衝撃ときたらっ
ある種、感動すら覚えます。
ホントにホントに良いィィ…ッ
…イラストだけでなく本編もおもしろかったですよ、もちろん!