『西の善き魔女・外伝3〜真昼の星迷走〜』


長い間ほったらかしでやっとこ図書館レンタルで読み終えましたぞ。
内容的には〝外伝3〟と銘打ってあるもののれっきとした本編の続編です。


でも、外伝とあるとおりちょっと本編とは雰囲気の違うお話。


端的に言ってしまうと、本編最終巻にある程度満足している方は
読まないほうが良いのではではないでしょうか?


ハヤシはこの物語の〝ファンタジーで始まって壮大なSFオチのラスト〟が
大好きだったので、ちょっと蛇足間が強かったかな。


逆にストーリーや設定でなく、キャラクターに惹かれて読み継いだ方は
キャラクター達の決着のつけどころのために読むと良いかと。


オチの消化…伏線の回収をしているのが今作なのですが、
ついでに各キャラクターの成長、というか主にルーンの成長と
フィリエルの覚悟が書かれています。


設定上の最重要人物、賢者(フィーリ)と詩人(バード)もしっかり登場。


…でも二人とも底意地が悪くて、読むのに正直、ストレスだった…orz


フィリエルやルーンでなくてもアレはイライラするって(笑)


全体的にちょっと重苦しい雰囲気なのですが…


唯一〝本編と変わらず華々しい〟のがレアンドラ様ッ!


…彼女のバックボーンも語られてそれはそれで重いのですがレアンドラ様の場合は


それがどうした!私は私の好きなようにやる!


という我が道を往く清清しいまでの我の張りっぷりが素晴らしい。
ルーンに対する相変わらずの情け容赦ないイケイケぶりがむしろ微笑ましいぞッ!


「ねえ君、ちょっとわたくしをお母さんだと思って抱きしめられてみないか?」P175


には笑わせていただきました(笑)


それに対するルーンのセリフも取り付くシマがなくて
これも素敵すぎだなあ…。


もしハヤシが男だったら、なんだかんだでレアンドラ様支持派にまわりそうです(笑)


そんなわけで、本編に補完が必要と感じる方、
キャラクターのその先が気になる方はぜひ読んでてくださいませ!!
そうじゃない方はスルーも可(爆)!!



えー、こっから蛇足です。一応本編ネタバレ防止で下げときます
ご興味おありの方のみ、クリックプリーズ。


あ、詩人さんつながりでミンサガのネタバレも入りますぞ。


久々の以下蛇足コーナー(詩人さんオチといえば)












さて〝西の善き魔女〟シリーズでは「女王」、「賢者」、「詩人」と
〝世界の真実を知る管理者〟いわゆる世界調停者としての〝神〟的存在*1
あるわけですが…


詩人さんで〝神〟といえばミンサガでしょッ!!


…というかエロール様。


〝世界を旅する吟遊詩人が世界の管理者であり、傍観者であり、神である〟


というこの手のオチ*2が好きなので
そういう意味ではなかなか美味しかったなあと(笑)


でも、エロールさまは「私は世界のあらゆるものを愛しく想っているよ〜」な
究極の博愛主義者なのでそこから見ると、
こっちの詩人(フィーリ)が飄々として冷たく感じちゃうのですな…。


ここら辺も楽しめなかった敗因かも。


基本的にSF的オチで〝神様=システム〟だったり
ファンタジー的オチで〝神様=博愛主義者(まったき善でなくて可)〟
がツボツボの好き好きスキーなので、
そこいらの読み比べもおもしろかったです。

ん〜でもハヤシなら、〝詩人さん神様システム〟採用するなら
完全に傍観者で、力の行使はまた別の人がよいなあ…。


…そんな作品を知ってたらぜひぜひ、教えてくださいませッ!!


そういや全世界の吟遊詩人さんスキーも美味しい作品ですね、コレ(笑)

*1:分業制ですが・笑

*2:いまんとこ、この二つしか浮かばないが