機動戦士ガンダム0080 〜ポケットの中の戦争・第4話


第4話『河を渡って木立を抜けて』


キーワードで引っかかった方も、検索で飛んでらした方も
どなたさまもこんばんは〜。


さてさて、日付を変えまして〝0080〟の4話でございますッ



後半へ折り返して、物語もいよいよ佳境に…ッ



今回は秀逸でした。
ではでは、早速、まいりましょうッ!

〝作戦〟前夜


アルとバーニィの〝連邦の秘密基地潜入大作戦〟の続きからですが…
なかなかに上手く切り抜けますなアル。


アル……つくづく恐ろしい子…ッ


成果としては大金星だけれど、状況を考えればそんな賭けに出るもんじゃなかったのは
自明の理というヤツでして…


バーニィはガルシアに拳でお説教でございます。
このあたりがまた上手く出来ていて、


階級的にバーニィより、一つ高いガルシアが鉄建制裁
それより上の階級の二人が一応、その場をとりなす…といった風。


サイクロプス隊内の力関係…というか役回りがきっちりハマっていて
見ていてテンポ良いですな。無駄がない。


そのあとでガルシアがさりげなくバーニィ


   威張れる相手がいなくなるのは困る
   ………死ぬんじゃねェぞ


などと伏線張ってるのがまた…ッ。


アル&バーニィ…そしてクリスの癒しパート(笑)も健在で
クルマですっかり寝込んでしまいアルをマッケンジー家にァ塚ってもらった後の
やりとりがもう、頬が緩むこと緩むこと…ッ


   マッケンジーさん…ッ………
   ………
   あの……次からはワイズマンじゃなくて、バーニィでいいです


   わたしも、クリスと呼んで下さい
   …おやすみなさい、バーニィ


………ッ


このビバリーヒルズ青春白書めーーーーッ(笑)


一度だけ〝バーニィ〟と呼んでもらって、夜道を行きながら一人いきなり
走り出したりとかもう!もうッ!
(こっそり窓からそれを眺めるマッケンジー夫妻も良いッ)


セリフの間のとり方とか、微妙な表情とか細かくて
珠玉といって差し支えない素晴らしさですなッ!


翌日アルにあったときに〝クリスがなにか言ってなかった?〟と
しっかりちゃっかりさぐりを入れてるのも初々しくて良いですなあ。


戦時下で、これから地獄の展開が間っているからこそ
こういう平穏なシーンが一層引き立ちまするッ!

滅び行くもののために

   滅び行くもののために




既に、上層部からは切り捨てられて捨て駒的な囮作戦でしかないのがわかっているのに
それでも作戦を敢行するしかないサイクロプス隊。


どう考えても成功率の低い作戦に向かうときに、
ミーシャが酒瓶をかかげて、言ったのがこのセリフ……。


うう…ッ……泣かされますなあ…ッ


もちろん隊長はもとより、ミーシャもガルシアも勝算が限りなく薄いことは
わかっていたのだろうなあ……。


反対にバーニィはそれをあまり知らされていなかった
雰囲気からも悟ってはいなかったのかなあと思うと、
それもまた悲しかったり。


もう敗戦直前の…しかも自軍が敗れるであろうことを
知ってなお、死地に等しい場所に向かうのはどんな気持ちなんだろうなあと
やりきれなくなってまいります。


他様でこの作品の感想を散見するに〝戦場の不条理さを描く〟という一文を
目にするのですが、まさしくこの一言に尽きるなあといった具合でございます。


ほんとうの戦争


そんなわけでついに〝戦争〟でございます。


始まる前は、さっさとMS動かないのかなあ……とのんきに思っていたものですが
始まってしまうと、その悲惨さに圧倒されますな…ッ


戦争モノをテーマを持って描くときには二つの描写があると
ハヤシ的には思っておりまする。

〝残酷な描写を入れて、絵で見せ付けるタイプ〟
〝映像で訴えるのではなく、ストーリーでそれを悟らせるタイプ〟


というのが、その分類なのですがこの作品は後者ですな。


昨今、前者の〝描写の残酷さ〟で押し切る作品が多いと感じる中
10年以上も前の作品で…しかも映像は申し分なく美しい作品であるにもかかわらず…
後者の道を選択しているのは素晴らしいことですな。


もちろん規制の問題などもあると思うのですが、
ラインをぎりぎりクリアしてあざとく見せるというのでなく
伏線を張って、描写を重ねて見せてくる。


構成といい脚本といい、ホントすごいです。


そしてその渦中に放り込まれるのが今までどこか〝戦争の外側〟にいるように見えた
バーニィであり、アルであり、クリスであるのがまた……。


特にアルはまだ10歳の子供で、


〝戦争〟や〝MS〟=〝カッコいいもの〟


として認識していただけに、実際に〝戦争〟に直面する
そのギャップがすごいですな。


その直前に抜かりなく、社会情勢的に〝ジオンが悪である〟というのが
浸透してきているのを日常の学校の描写に挟み込んでくるのが憎いですなあ。


奇しくもアルの目の前で次々に凄絶に、
けれど驚くほどあっけなく散ってゆくサイクロプス隊の面々…。


頼もしかった隊長はたった一発の銃弾に倒れ
ガルシアも目的を果たせずに自爆し
ケンプファーに乗ったミーシャもアレックスの前であっけなく蜂の巣に。


霧が立ち込める混迷の戦場で、気配を察して
バーニィが思わずむけた銃口の先にはあっけにとられるアルが…


これは第一話の最後のシーンの再現になってますが
一回りしてこのシーンにたどり着くまでに
二人がどれだけのものを得て、そしてどれだけ失ったのか、と考えさせられますな。

次回更新


さて、重々しくなってきたところで次はは第五話
『嘘だといってよ、バーニィ』です。


…タイトルがまた秀逸だなあ……。


次回予告で出てくる〝人間って、カンタンに死んじゃうんだね〟
というアルの一言がまた、気になりまする。


気にはなるものの明日は日曜〝読書枠〟でございますッ


今のところ有栖川有栖氏の新作『乱鴉の島』を読了。
お次はなぜかウェブスターの『あしながおじさん』を読んでおりますぞ(笑)


明日中に読めてこのあたりまでかなあ…。


またも図書館で借りてきた5冊がでつかづ立ったりしますが、
まあそれもいつものことだしなッ


〝0080〟の感想は早くて月曜日のお届けになりまする


ではでは本日はここまでッ!!






→以下どうでもいいオマケ


ちょうどDVDを見終わって、TVに変えたところ……



ロード・オブ・ザ・リング


…が、やってましたそ!!


ちょうど、主人公のフロドがアルとおんなじ声優さんですな。
ついでに、アラゴルンは〝エルガイム〟のキャオか(笑)


たまにキャストのことを考えて、映画の吹き替えだったり
他のアニメ見ると、激烈にびっくりさせられますなッ!!